日本時代〜戦後初期の軍官宿舎群を商店エリアに 屏東「勝利星村創意生活園區V.I.P Zone」

勝利星村サムネ

日本統治時代から戦後初期に建てられた軍官宿舎を再利用し、飲食店や商店が立ち並ぶ一角にしたのが屏東市内にある「勝利星村創意生活園區V.I.P Zone」です。

元は日本統治時代に屏東飛行場の関連の宿舎群として建設されたものですが、宿舎群は第2次世界大戦後に国民党政権によって接収、さらに拡大され、大陸から台湾に移り住んだ軍人やその家族が住む「眷村」となりました。

眷村が形成された屏東市勝利新村と崇仁新村の日本時代の軍官宿舎は2007年に屏東県の歴史建築に登録され、2018年に文化施設に生まれ変わりました。

エリア内にあった屏東市の眷村の成り立ちの解説

眷村を再利用した商業パークといえば、台北101近くの「四四南村」が有名だと思いますが、「勝利星村」の規模はめちゃくちゃ大きい!「勝利エリア」「成功エリア」「通海エリア」の3つのエリアに分かれていて、公式サイトによると、80ブランドが出店しているそう。

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実は私、勝利星村が3つのエリアに分かれているとは知らず、訪れたのは一番規模が多い「勝利エリア」だけでした。3つのエリアはいずれも徒歩圏内ですが、やや離れています。

公式サイトに地図が出ていました。

勝利エリアの地図とショップ一覧

お店は飲食店やカフェを中心に、雑貨店や個人書店、宿泊施設などが軒を揃えます。

飲食店は高級そうな店から庶民的な店、バーまでいろいろ。私が訪れたのは午後3時くらいだったので、まずはかき氷店「御木軒」へ。

かき氷店「御木軒」

このお店は事前にネットで調べていて、めちゃくちゃ可愛いかき氷があるという情報を入手していたので絶対に行こうと決めていました。

御木軒の外観

店内には日本のレトロな看板や小物などが飾られていて、地べたに座る形式です。

提供されるかき氷も台湾風のいろいろな具材が乗ったタイプではなく、シンプルな日本風。

かき氷メニュー

私はお目当ての白くまかき氷を注文しました。

小白熊剉冰(160元)

めちゃくちゃ可愛い。

これ、ごくごくシンプルに見えるかもしれませんが、実は底の部分にタピオカや小豆、白玉団子、仙草ゼリー、タロイモなどいろいろな種類のトッピングが入っているのです。とってもボリューミー。耳の部分はリッツみたいなちょっとしょっぱめのビスケット、鼻の部分はピーナッツアイスになっています。このアイスも濃厚、クリーミーで美味でした。

底には具材がたっぷり

可愛さと美味しさを兼ね備えていて素晴らしい。

このお店、私が入った時はお客さんゼロだったので、店員さんも「今のうちに写真撮るといいよ」と言ってくれて写真をたくさん撮らせてもらえました。

私は屏東って、日本人の観光目的地としてはかなりマイナーだと思っていたのですが、なんとこの日、勝利星村で日本人団体客に遭遇。日本時代ゆかりの地というのが理由かもしれませんが、けっこうびっくりしました。

当時の面影感じるいろいろ&遺構公園

勝利星村の中心部には日本時代当時の面影を感じるものもいくつか置かれています。

広場の中心部には当時の屏東の地図が刻まれていました。

中央広場
地面には石に彫られた地図がはめ込まれています
勝利星村のあるエリアはこんな感じだった模様(見にくくてすみません)

お店が立ち並ぶエリアの西側には「遺構公園」として、すでに基礎や一部の枠組みだけになっているかつての宿舎も保存されていました。保存された建物とそうでない建物を併存させているのは面白いなと思いました。

「冰糖醬鴨」が食べられる「黎記眷村食堂」

この日の夜ご飯は、もともは屏東名物と言われる「冰糖醬鴨」が食べられる「黎記眷村食堂」に行こうと思っていました。

あまりお腹が空いていないなぁと思っていたところ、店の横に持ち帰り用の自販機コーナーがあることを発見!ここで買って、ホテルでビールを飲みながらつまみとして食べることにしました。

ちなみに「冰糖醬鴨」とは、醤油で甘辛く煮たカモ/アヒルの肉のこと。手羽先や脚、内臓などさまざまな部位が提供されていました。

しっかり煮込まれていて味は濃いのですが、しつこさはゼロ。ビールととてもよく合います。台北にも持ち帰りたいくらいだったのですが、要冷蔵だったので諦めました。

「黎記眷村食堂」
「黎記眷村食堂」の(左から)鶏脚、豆干、手羽。ちなみに鶏脚と手羽は普通サイズとミニパックがあって、購入したのはミニパックのほうです。旅行者には少量サイズがありがたい

本題とは逸れますが、この自販機のシステムが凄かった。

購入にLINE Payを使う形式なのですが(クレジットカードでも可)、QRコードを読み取ると冷蔵庫が開いて、それからセルフで欲しいものを取り出すだけで、勝手に値段が計算されて決算されるというハイテクなものでした。今はこんなシステムもあるのだなぁと感心しました。

感動したので動画にもしたのでよろしければどうぞ。

勝利星村の滞在時間は2時間ほど。

雰囲気は日本っぽさよりも、戦後の眷村の雰囲気の方が強い印象でした。近年の日本時代の建物をリノベーションした施設は日本らしさを前面に打ち出していることが多い印象なので、日本時代の名残と眷村の雰囲気が溶け合っている「勝利星村」はとても独特なエリアだと感じました。

ただ、飲食店がメインで、いろんなお店を覗いて散策を楽しめる感じではなかったので、もう少し屏東or台湾ブランドのセレクトショップ的なものが増えるといいのになぁと個人的には思ったのでした。

観光案内所として使われている「将軍之屋」。鳳山陸軍官学校校長の宿舎として使われいたそう
その前には、当時の門が残されています

基本情報

住所:屏東縣屏東市青島街106號
交通:台鉄屏東駅から徒歩15分ほど
営業日:勝利星村自体は塀がないエリアなのでいつでも入れますが、観光案内所「将軍之屋」は火曜休館。お店によっても休業日は異なります。私が調べたところ、火曜や水曜を定休日としている店が多い印象でした。
お目当てのお店がある場合は、事前に営業日・時間を調べていくのがおすすめです。
公式サイト:https://www.cultural.pthg.gov.tw/vipzone_jp/Default.aspx

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