文学的気分にひたれるおしゃれホテル「誠品行旅」 リッチな女子旅におすすめ

 「文青」(ウェンチン)と呼ばれる文化好きおしゃれ台湾人が集うスポットとして知られる「誠品」。台北市の松山文創園区には、誠品が手掛ける高級ホテル「誠品行旅」(エスリテホテル)があります。

 このホテルには2015年にオープンしました。誠品好きとしては、ずっと泊まりに行きたいと思っていたのですが、1泊6000台湾元以上と、台北在住者としてはなかなか手が伸ばせない価格。松菸誠品に立ち寄る時には、ホテルを横目に「いつか泊まりたいな〜」と思いつつ通り過ぎていました。(1台湾元=3.67円/2020年10月現在)

 そんな中、誠品が今年4月から5月にかけて、「レシートが現金に変身」という太っ腹なキャンペーンを実施。どんな内容かというと、誠品各店舗で発行されたレシートをエスリテホテルで提示すれば、レシートに記載されている購入額分の料金を宿泊代金から差し引いてくれるという夢のような企画だったのです。

 新型コロナウイルスの影響で台湾政府が外国人の入境を3月19日から原則的に禁止したのに伴い、国内需要取り込みのために行われたのですが、私はたまたま気になっていたバッグがあったのもあって「これはチャンス!」とばかりに誠品で購入し、エスリテホテルに泊まる機会をゲットしました。週末に泊まると7600元のところが、レシートが約4800元分あったため、実質2800元で泊まれました。

kuroqie
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こんなに破格の安値で泊まれるなんて思ってもみなかったよ。誠品さん、ありがとう!!

もちろん朝食付きです。

 泊まった感想を最初に述べると、「予想以上に良かった!」ホテルステイを楽しみたい、リッチな女子旅におすすめします。前振りが長くなりましたが、この記事では宿泊記として、エスリテホテルのおすすめポイントをお届けします。(内容は2020年8月宿泊時のものです。今後変わる場合があります)

ポイント(1)いたるところに本とアート

 本屋から始まった誠品だけあって、館内のいたるところに本が飾ってあります。ロビーに入ってまず目に入るのは、壁一面に並んだ本棚。びっしりと本が詰まっています。そしてこれだけではなく、各階の通路や、さらには客室にまで。客室には、誠品創業者の呉清友氏や経営陣などへのインタビューをまとめた書籍「誠品時光」のほか、ファッション・建築雑誌が置いてありました。客室に聖書や観光パンフレット以外の本がおいてあるホテルはすごく珍しい気がします。

ロビーの一面にずらりと並ぶ本棚

 絵画や銅像などのアート作品もあちこちにありました。

エレベーターロビーの絵画
レストラン前の銅像

ポイント(2)開放的で落ち着く客室

 私が泊まったのは「デラックスルーム」(雅緻客房)です。公式サイトによれば、広さは13坪。坪数としてはすごく広いわけではないですが、天井が高く、一面が全面ガラス張りなので、開放感を感じました。

 家具は木材で統一され、カーペットや壁紙には灰色がかった緑を基調としています。温かみを感じるシックな印象で、すごく落ち着きました。このあたりは、誠品ならではのセンスだと感じました。

客室(デラックスルーム)
家具は木材で統一

ポイント(3)細部への気配り お茶や音響がすごい

 客室の設備・アメニティーにもこだわりが見えました。まずは、お茶。ティーバッグで提供するホテルが多い中、エスリテホテルで用意されていたのは、リーフティー。しかも、金萱烏龍茶と日月潭紅茶の2種類。きちんとポットも備え付けてあります。コーヒーもインスタントではなく、ネスプレッソなのはさすがです。

 驚いたのは、音響へのこだわりです。テレビの両側の天井にスピーカーが設置されているだけでなく、なんと浴室にもスピーカーが。お風呂に入っているときに、「そんなにTVのボリュームを大きくしていなかったはずなのに、やたらとはっきり聞こえるな」と思っていて、上を向いてみるとスピーカーがありました。浴室にTVは付いていませんが、音声だけでも楽しめるのはうれしいです。

 その他にも、
・シャンプー、せっけんなどはロクシタン
・歯ブラシはキャップ付き
・テレビは日本語対応、NHK視聴可、映画も見られる
・ワイヤレス充電器あり
・ハサミやホッチキスなどあり
・コンセント多し
など、感激するポイントがたくさんありました。

 他の方の宿泊レポートを見ると、冷蔵庫には有料の飲み物が入っているとのことでしたが、今は通常時と異なるためか、冷蔵庫は空っぽでした。

冷蔵庫

 一つ残念だったのは、ドライヤー。別の場所に移動させることができず、風力も弱めでした。ただ、台北ナビ情報によれば、順次ダイソンに変わる予定だそうです。

ドライヤー

ポイント(4)部屋から見える台北101

 公式サイトによると、デラックスルームにはシティビューマウンテンビューがあるようなのですが、今回は運良く、シティビューの部屋に泊まることができました。窓からは台北101や建設中(※建前上は長らく建設中断されていたにも関わらず、なぜか完成に近づいています)の台北ドームなどを眺めることができました。

部屋からは台北101が

 夜になると、市政府のきれいな夜景を楽しむこともできます。

客室から見える夜景

ポイント(5)鉄道博物館園区を眺望するフィットネスルーム

 3階にあるフィットネスルーム「The Gym」は眺めが最高です。向かい側にある臺北機廠鐵道博物館園區を上方から眺めながら、ランニングなどをすることができます。この博物館園区は、日本統治時代の車両工場を整備した施設なのですが、現在は修繕中で、見学するのは事前予約が必要です。ですが、ジムからは、園区内の線路や車両などをのぞくことができます。ちょっと得した気分です。

「The Gym」の窓から見える「臺北機廠鐵道博物館園區

ポイント(6)一品一品の質が高い朝食

 朝食は1階の「The Chapter」でいただきます。半ビュッフェ形式で、卵メニューは最初に注文して、その他の食べ物はカウンターに自由に取りに行くスタイルです。

1階の「The Chapter」

 一般的な高級ホテルと比べると、種類はやや少なめですが、その分一つ一つのクオリティーが高いと感じました。朝食ビュッフェでよくある、「種類はたくさんあるけれど、そんなに食べたいものがない」というのとは反対で、「あれもこれも取りたい」と欲張ってしまいました。

 珍しいのは、蜂の巣からそのまま取ったはちみつ。ねっとりとしていてすごく濃厚で、はちみつ好きの私としてはたまりませんでした。

はちみつ

 パンの種類も豊富。チーズがあるのも嬉しいです。ヘルシーなオートミール粥やフルーツサラダから、ジャンキーなチキンナゲット、ハッシュドポテトまで、幅広い層の人に対応している印象でした。もちろん、お粥もあります。

 お粥も食べたかったのですが、時間切れで食べられず…。1時間の時間制限があります。ちょっとくらいオーバーしてもいいだろうと思っていたら、時間ぴったりに「そろそろ時間ですよ」と声を掛けられてしまいました…。

 嬉しかったのは、コーヒーコーナーにテイクアウト用カップが用意してあったこと。このカップは、持つ部分が二重になっていて、「アチッ!」となりにくいタイプです。こうした点からも誠品の気配りを感じます。

テイクアウト用カップに飲み物を入れて、部屋で飲むことができます

 ちなみに、夕食もこの「The Chapter」で食べました。ビーガンメニューもあり、友人が注文したのはビーガン対応の「松子櫛瓜青醬寬板麵」(松の実とズッキーニのジェノベーゼパスタ、360元)。一口食べさせてもらいましたが、上品な味でした。ただ、量が少なく、これだけだとお腹いっぱいにはなりにくいかもしれません。

松子櫛瓜青醬寬板麵」(松の実とズッキーニのジェノベーゼパスタ、360元)

 私が頼んだのは、「沙朗牛排雙味起司漢堡」(サーロインステーキのダブルチーズバーガー、560元)。これは大ヒットでした。思ったよりも肉がレアだったのですが(焼き加減は聞かれませんでした)、私はレア好きなので、全く問題なし。すごく柔らかくて、余裕で噛み切れます。付け合わせのポテトもサクサク。味、ボリュームともに大満足でした。

 The Chapterは、誠品会員は15%オフ(85折)で飲食できます

「The Chapter」店内

ポイント(7)静かに過ごせる

 松山文創園区内という立地ということもあって、大通りに面しておらず、騒音とは無縁でした。また、客層も関係あるのかもしれませんが、館内は基本的に静かで、朝食会場やロビーでも騒がしさは感じませんでした。

夜のロビー

続いて、旅行者目線だとやや不便かなという部分も紹介します。

不便な点(1)駅から遠い

 最寄り駅はMRT板南線「国父紀念館」駅です。ここから徒歩の場合、10分ほどかかります。「MRTを使ってアクティブに観光したい」という方には不向きかもしれません。

不便な点(2)近くにコンビニがない

 コンビニ大国の台湾ですが、最寄りのコンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート)までは徒歩で約5分ほど歩きます。

まとめ

 「誠品行旅」(エスリテホテル)は、文学的な雰囲気にひたれるホテルです。「本」をコンセプトに取り入れ、他のホテルとは異なる特色を打ち出しています。また、細やかな気配りがこのホテルの魅力の一つであると感じました。

 このホテルの価格帯(6000元~)は、台北のシティホテルでは最高級ランクに属します。有名なリージェント台北(台北晶華酒店)やグランドハイアット台北(台北君悦酒店)などの大型高級ホテルと比較すると、規模はたいぶこじんまりとしていて、館内施設もジムやレストラン、カフェ、会議ルームのみと、最小限にとどめてあります。土産物店やスパなどはありません。そのため、ホテルに多くの機能を求める方には向いていないかもしれません。

フロント

以下は、私が泊まった経験から考えるおすすめの人です。

こんな人におすすめ

  •  「アクティブに観光」というよりも、ホテルでのんびりしたい人
  •  誠品の雰囲気が好きな人
  •  静かに過ごしたい人
  •  リッチに泊まりたいけど、館内施設は最小限でいい人

 以上、2020年8月時点の宿泊レポートです。ホテル選びの参考になれば嬉しいです。

ホテル情報

誠品行旅eslitehotel
11072 台北市信義區菸廠路98號
+886.2.6626.2888
公式サイト(日本語):https://www.eslitehotel.com/jp/

チェックイン 15:00
チェックアウト 12:00

こぼれ話:商売上手な誠品

 私はレシートキャンペーンを利用してお安く泊まることができたのですが、このキャンペーンの宿泊可能日は8月末まで。まだ入国制限は解除されていないので、「9月からはどうするんだろう」と勝手に心配していたところ、チェックアウトをする時にこんな券をもらいました。

チェックアウト時にもらった優待券

 「デラックスルームに4200元で泊まれる券(有効日9月1日~11月30日)」です。レシートキャンペーンは会員限定だったのですが、この券は「誰でも使える」とのこと。どうやら今回の宿泊客が親戚や友達などに「良かったよ」と口コミですすめることを想定し、この券を使ってもっと多くの人に宿泊してもらおうという戦略のようです。

kuroqie
kuroqie

なかなかやるな、誠品。「4200元だったら泊まってみてもいいかも」という人、たくさんいるはず。

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