コーヒーフロート 台湾の人の意外な飲み方【日台文化比較】

コーヒーフロート

 夏といえば、コーヒーフロートの季節。日本では、ファミレスや喫茶店などではコーヒーフロートだけではなく、ソーダフロート、メロンフロートなんかもあって、フロート系ドリンクはお子様からおじいちゃん、おばあちゃんまで幅広い層に愛されるメニューだ。だが、台北ではフロートを売っているカフェは多くない。

 しばらく前のことになるが、台湾のテイクアウトコーヒー店「cama」(カマ)が新メニューとしてコーヒーフロート(中国語では漂浮冰咖啡)の販売を開始したため、コーヒーフロート好きとしては試すしかないとばかりに頼んでみた。

 そして、わくわくしながら出来上がったドリンクを受け取ろうとしたところ、店員さんからこう言葉を添えられた。

「最初に混ぜてから飲んでね」

えっ!!!

最初に混ぜるの???

 私はコーヒーフロートの飲み方には自分なりのこだわりがある。まずは上のアイスをそのままアイスとして味わい、その後でアイスが程よく溶けたコーヒーを楽しむというものだ。特に、コーヒーとアイスが接する面に薄くできる氷の部分は大切に食べたい。一つの飲み物で、いくつもの異なる味を堪能できるというのがコーヒーフロートの魅力だと思っている。最初に混ぜてから飲むなんて思ってもみたことがなかった。

 そこで、ふと疑問が浮かんだ。

「台湾ではもしや、混ぜてから飲むのが一般的なのか」と。

 そこで、コーヒーフロートは最初にアイスを食べるのか、それとも混ぜてから飲むのかを台湾人の友人数人に聞いてみた。

 すると、私が聞いた友人と、友人のそのまた友人の場合だと、「混ぜてから食べる」派が多数派だったのだ。サンプルが5人程度と少ないため、一般化はできないが、日本人の友人に聞いたところ、100%が「アイスを楽しみたい」派だったことから考えると、日台間での面白い違いだと思う。

 私が聞いた台湾人の中で、いつもお世話になっている美容師さんだけが「最初にコーヒーを飲む」という回答だった。だが、それから話を進めていくと、「でもアイス紅茶(※)を飲む時は混ぜてから飲んでるかも」という驚きの証言を得た。

 なるほど、そういうことか!!

 これで疑問が解けた。コーヒーフロートよりも馴染みがあるアイス紅茶混ぜて飲むから、コーヒーフロートも混ぜてから飲む人が多いのかとガッテンした。

 ※アイス紅茶(冰淇淋紅茶)とはティードリンク店でおなじみのメニューで、いわゆるティーフロート。見たことがない方はグーグル画像検索をどうぞ。 

 もう一つ興味深かったのは、日本人に食べ方を聞いた時はみんな「アイスから食べる」と即答だったのに対し、台湾人は「え〜っと、ちょっと待ってね」としばらく考え込んでいた。やはり、コーヒーフロートは、台湾の人にとってはあまり馴染みがないものなのではないかと思う。

 ちなみに冒頭のカマのコーヒーフロートなのだが、「先に混ぜてから飲んでね」というアドバイスを守らずに、いつものようにアイスだけ食べてみたら、アイスの質が私の期待を満たすものではなかった。その後はあきらめて、言われたように混ぜて飲んでみたら、さっきよりはましだった。アイスを楽しむようには作られていないことが伺えた。

 でも、コーヒーフロート好きとしては「もっと美味しいアイスを使ってよ〜」と言いたくてたまらない。

 ※この考察は狭い範囲での調査を基にしているので、異論反論は受け付けます。コメントかTwitterにお寄せください。

 <2020年8月20日追記>

 Twitterで台湾人のフォロワーさんから、下記のようなコメントを頂きました。

 わたしの推測はどうやら外れてはいなかったようです。うれしい。

こぼれ話

 台北市はチェーン店などを対象に、店舗で提供している食材の登録を求めており、その情報が「台北市食材登録平台」で公開されている。カマも対象店舗であるため、このサイトでどこのアイスを使っているのか突き止めた。すると、スーパーでよく見かける老舗のアイスブランド「小美」を手掛ける樺美食品の商品を使っていることが分かった。ここのアイスは私は食べたことがないのだが、比較的安価なイメージだ。コストの面も分かるのだが、やはりもっと美味しいアイスを使ってほしい。

台北でコーヒーフロートが飲めるカフェ

 コーヒーフロートの話題を出したので、補足情報として、私が今までにコーヒーフロートを飲んだことがある台北のカフェを紹介します。

貳月咖啡

最近行ったお店。ちゃんと美味しいアイスとコーヒーを使用していて、クオリティー高し。ただ、1回目に行った時はアイスが品切れでした。

・cafe trico

・光合箱子

・メランジェカフェ(米朗琪咖啡)

上記3店舗はかなり前に行ったので、あまり覚えていないのですが、普通に満足できる味でした。

ミスターブラウンコーヒー(伯朗咖啡)

有名カフェチェーン。アイスは普通でしたが、店員さんがスプーンを出してくれず、言ってからやっと出てきたので、対応に不満が残りました。

コーヒーフロートが飲めるカフェマップを作りました。随時更新していく予定です。情報もお寄せいただけるとうれしいです。

2 COMMENTS

メイフェ

kuroqieさん♪こんばんは。
コーヒーフロート。私も大好きなんです!
そして断然、最初にアイスを味わい、あのアイスとコーヒーの分かれ目あたりで
何故かサクサクになった氷が好き。そしてちょっと苦いアイスコーヒーを飲む。
これって日本人だからなのか・・・と妙に納得しました。笑。

でも私は普段、ブラックコーヒーは飲まないので、あのコーヒーフロートの
アイスを食べてしまった後のコーヒーって結構濃くて・・・
そこにミルクポーションを入れたりしてします。邪道!?

台北で飲んだのはコメダカフェで!ただ漂浮咖啡ではありましたが
上にのっているのはアイスクリームじゃなくてソフトクリームでした♪

上のアイスが美味しいのと、安っぽいのと・・・色々ありますね。笑。

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kuroqie

メイフェさんもお好きだったとは!
日本人はあの氷の部分好きな人多いですよね(^o^)
カマの一件で気付いたんですが、コーヒーフロートへのこだわりは日本人ならではのようです。

私は普段からよくコーヒー飲むので、アイスが溶けたコーヒーも好きなんですが、
確かにちょっと濃い目に作ってあるかもと今気が付きました(笑)
食べ物・飲み物は美味しくいただけるのが一番なので、全然邪道じゃないですよ~!!

コメダのコーヒーフロート、飲みたいと思ってました!
今度試してみます♪

上のアイスがおいしいとテンションが上がるんですが、安っぽいとがっかり感が半端ないです。

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