台湾コメディー映画『僕と幽霊が家族になった件』 男同士の冥婚を題材に「愛」を描く

關於我和鬼變成家人的那件事@2022金馬影展閉幕片

2023年8月3日追記

日本での上映&ネットフリックス配信に伴い、日本語タイトルを追加しました。

『僕と幽霊が家族になった件』(關於我和鬼變成家人的那件事、Marry My Dead Body)、簡潔に言って大傑作です!!!!!

金馬映画祭のクロージング作として世界初披露されたこの作品。チケット争奪戦に勝ち、見に行ってきました。

主演がグレッグ・ハン(許光漢)とリン・ボーホン(林柏宏)、そして題材は「冥婚」、さらにさらに、冥婚するのは男性同士、かつ監督が『紅い服の女の子』(紅衣小女孩)のチェン・ウェイハオ(程偉豪)という情報だけで期待大だったこの作品。

期待を裏切らない、というか、期待を遥かに上回る出来栄えでした。

物語は、グレッグ扮する警察官・呉明翰(ウー・ミンハン)が捜査過程で赤い封筒を拾うというところから始まります。この袋は、拾った相手と死者を結婚させる「冥婚」の袋で、中に入っていたのは、交通事故で亡くなった毛邦羽(マオ・バンユー、ボーホン)の写真。「男と冥婚なんてできるもんか」と最初は拒否しつつも、さまざまな不運に見舞われ、仕方なく冥婚を受け入れることになったミンハンが、マオを輪廻転生させようとの願いを叶える手助けをする中でいろいろな事実が明らかになり、二人の間に「情」が芽生えていくーという作品です。

予告編でも明らかになっているとおり、グレッグとボーホンの大胆な“絡み”があったり、グレッグが大爆笑シーンを演じたりと、2人の突き抜けた演技が大きな見どころ。グレッグもボーホンも評価の高い俳優だと思いますが、俳優としての新たな一面を見せてくれました。

そして、もう一人のメインキャスト、ワン・ジン(王淨)は、大きな野心を持つ女性警察官を演じました。ワン・ジンはドラマ『あすなろ白書』から映画『返校』、『瀑布』までジャンルが異なるさまざまな作品に出演してその度に違った姿を見せてくれているのですが、個人的には彼女は元気で勝ち気な雰囲気の役がいちばんしっくりくると思っています。今作の役はまさにそんな感じの役で、彼女の魅力が十二分に発揮されていました。

そしてゲスト俳優も豪華。アーロン(炎亞綸)やリウ・グアンティン(劉冠廷)が出演し、作品にスパイスを加えてくれています。特にアーロンの役どころと演技には大注目してほしいです。

“台式ユーモア”にあふれ、声を出して笑えるものの、最後には心がほっこりする、そんな作品です。性別と生死を超えた「愛」を描いた作品だと感じました。

台湾での公開は来年2月10日。金馬や台湾メディアの情報によると、今回上映されたのは特別版とのことで、さらにポスプロ作業が進められて公開版はまた違ったものになる模様。

公開されたらぜひまた見に行こうと思います。

関連情報

關於我和鬼變成家人的那件事公式フェイスブック

『關於我和鬼變成家人的那件事』金馬映画祭紹介ページ

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公開前なのでネタバレはしたくないのですが、どうしても語りたいので以下はネタバレありのラフな感想です。閲覧注意。

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