※日本語タイトルを追加しました(2024年1月3日)
旧暦7月の「鬼月」(今年は8月16日〜9月14日)には「鬼」=「幽霊」を題材にした映画が続々と公開されました。,
そのうちの一つが「ハロー⁉︎ゴースト(我的麻吉4個鬼)」。
幽霊を題材にしているとはいえど、ホラーでは全くありません。
ハートウォーミングコメディーです。
主演は映画「返校」や「刻在你心底的名字」などの話題作で一躍人気俳優の仲間入りしたツェン・ジンホア(曾敬驊)。ヒロインをシャオ•ユーウェイ(邵雨薇)が演じます。シャオ・ユーウェイの兄役にはクンダー(謝坤達)。意外や意外、クンダーは今作が映画初出演とのこと。
韓国映画「ハロー!?ゴースト」のリメイクで、台湾版「悲しみより、もっと悲しい物語」のシエ・ペイルー(謝沛如)が監督を務めました。
目次
あらすじ
人生に疲れてこの世に別れを告げることを決意した青年アウェイ(ツェン•ジンホア)。さまざまな方法で自殺をしようとするものの、失敗してばかり…。ようやく試みが成功し、生と死の淵をさまよっていた時、ある一人の「天使」(シャオ・ユーウェイ)に出会う。病院で意識を取り戻したアウェイは4人の幽霊につきまとわれるようになり、4人の願いを叶えるために奔走する過程で、あの「天使」と再会しー。
ざっくりレビュー
ツェン・ジンホアはどちらかといえばクールなイメージが強かったのですが、今作で演じたのは、イケメンでもないし自信もなくて、不幸せそうな青年。老若男女の4人の幽霊に取り憑かれるという役どころで、演技力の高さが要求されるキャラクターでしたが、見事な演じ分けを披露していました。
正直、途中まではテンポがゆっくりで、ちょっと退屈だなぁと思っていたりもしたのですが、終盤の大転換で一気に心が惹きつけられ、「ティッシュ、ティッシュ」と急いでゴソゴソとバッグからティッシュを取り出す展開になったのでした(笑)見終わった後、ぬくぬくした心で映画館を後にしたのでした。
ネタバレ感想
ここからはネタバレありの感想なので閲覧注意。
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原作の韓国映画は一切見ていなかった私。
付き纏う4人の幽霊がおじさん、おばさん、おばあさん、子供と年齢がバラバラだったことから、「なんか家族みたいだな」と途中で思ったのですが、まさか5人が一家だったとは!!
アウェイは一人ぼっちになってしまったように見えるけど、実は死んだ家族がずっとそばに寄り添って見守ってくれていたんだと思うと、涙涙。
最近、私生活でも死に直面したので、自分が最近の法事でお坊さんから教えられたこととリンクする部分もあって、さらにグッと来ました。今ブログを書いてて、アウェイが一人じゃなかったと気づくシーンのことを思い出すと、また涙が出てきました…。
ストーリー的には勘がいい人ならすぐに気づきそうな結末なので、予想外でもなんでもないかもしれませんが、生と死、そして「家族とは」というものに対して今一度考えさせられる作品でした。
脇を固めた4人のうち、大人の3人ールー・イージン(陸弈靜)、ツァイ・ジャーイン(蔡嘉茵)、チャン・ザイシン(張再興)は台湾映画をよく見る人にはお馴染みの存在のはず。
蔡嘉茵は私は台北映画祭で上映された「大餓」で、肥満体型の女性の悩みや辛さ、頑張りなどを体を張ってコミカルに演じていたのがすごく印象に残っているのですが、今回演じたのは「おばちゃん」役。彼女は1988年生まれなのでまだ30代半ばですが、おばちゃん感が存分に出ていました。とても個性的な俳優さんなので、今後も注目です。(ちなみに大餓の監督も謝沛如)
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