台湾の「歩き方」〜自分の身を交通事故から守るために〜

注意
この記事は観光案内ではありません。文字通りの「歩き方」を私の経験を基に紹介しています。

 台湾在住歴もうすぐ10年になる私ですが、台湾で生活している中で最も慣れないのが「交通マナーの悪さ」です。

 台湾の人は普段はおおらかな感じなのに、運転マナーについてだけは「ハンドルを握ると性格が変わるの??」と思うほど荒くなるように思います。

 外を歩く時、特に路地を横切る時は命がけです。けっして誇張表現ではありません。本当に「命がけ」です。ひかれそうになったことは数しれず。未だに大きな事故に遭っていないのは幸運としか言えません。

 そこでこの記事では、私が台湾(基本的に台北)の道を歩く時に注意していることを紹介したいと思います。

 台湾に旅行に訪れる際はついつい気が緩みがちだと思うので、予期しない事故にあわないようにするために、これらのポイントを心に留めておいていただければ幸いです。

1.  青信号でも油断しない。横断歩道は奥を歩く。

 台湾では歩行者信号が青信号だからといって、横断歩道を気を抜いて渡ってはいけません。横断歩道をよく見ずに右折してくる車が少なくないからです。歩行者が横断歩道の真ん中あたりにいる際に、無理に突っ込んでくる車もいます。

 よく見ずに右折してくる車対策としては、私はできるだけ、横断歩道の奥(車の進行方向に対して)を歩くようにしています。曲がり角から若干離れるため、ややリスクが減るように思います。

 また、大通りの十字路の場合ですが、スクーターが左折をする時に、交差する道路のスクーター用待機位置に入ろうと、横断歩道にはみ出して突っ込んでくる場合もあります(ちょっと文章では説明しずらいので、絵に書きました。下記参照)

矢印は進行方向。待機位置に入ろうと、スクーターがピンクの矢印のように横断歩道のほうまではみ出してくることがあります。
右の枠線がスクーターの待機位置(このスクーターは横断歩道をはみ出して走行してきたわけではありません)

 この場合も不意打ちでやってくるので注意が必要。そのため、なるべく車が進入してくる方向から離れた場所を歩くのがいいです。

 また、これはそこまで多くないですが、赤信号に間に合わせようと(実際には間に合っていないけれど)猛スピードで走ってくる車もいるので、青信号になった瞬間に渡ろうとする行為も危険です。

2. 信号がない横断歩道では左右をよく確認

 信号がある横断歩道も危険ですが、それ以上に気をつけたいのは「信号がない横断歩道」です。私の自宅の近所には横断歩道がない2車線の十字路があるのですが、ここを渡る時はいつもドキドキします。やや手前に曲がり角があるので、左右を一度確認した後で、その曲がり角から車が進入していることもあるので油断なりません。

信号がない横断歩道
信号がない横断歩道の例(前述で例に挙げた場所とは異なります)

 日本は信号がない横断歩道で車が止まってくれることは普通だと思いますが、台湾は信号がない横断歩道で車が歩行者に道を譲ってくれることは95%くらいありません。逆にクラクションを鳴らされたります。

 台湾の法律には歩行者優先という文言はないのか?と疑問に思って調べてみたら、台北市政府交通局のHPにこう書いてありました。

法令保障行人在行穿線上有絕對的優先權

(法律は通行人が横断歩道で絶対的な優先権を持つことを保障しています ※筆者訳)

台北市政府交通局HP

 「歩行者優先」が明記されています

 これによると、根拠となるのは道路交通管理処罰条例第4448 条道路交通安全規則第103 條です。

 文言は若干違いますがいずれも、「車両は、横断歩道に近づき、横断しようとする歩行者がいた場合、一時停止し、通行人を先に通さなければならない」といった旨の内容が書かれています。

 横断歩道での歩行者優先を定めた第44条、曲がり角での歩行者優先を定めた第48条ではそれぞれ違反者に1200台湾元以上、3600元以下の過料を科すと定めています。

kuroqie
kuroqie

 今度動画撮影中に歩行者優先されなかったら、動画を証拠に検挙しようと思った私は意地悪でしょうか(笑)

3. 道路からなるべく離れて歩く

 台湾で時折ある事故は、車が歩道に突っ込んでくるケースです。それを避けるためには、道路からなるべく離れた、建物寄りの場所を歩くのが無難です。

 交差点の信号待ちでも然りです。少し前に信号待ちをしていた時のこと。そこは狭い歩道だったのですが、私は道の中央あたりにいて、左から自転車がやって来たので(そもそも台北市は自転車が歩道を走るのは原則的に禁止)、自転車を避けるために少し後ろに下がりました。すると右手からやってきた自転車に激突されてしまいました。幸い、その自転車は速度が出ていなかったので怪我はしなかったのですが、もし速度が出ていたとしたら。恐怖でしかありません。

 この経験からも、なるべく建物に近付いた場所にいるほうが安全だと感じます。

 また、台北では、スクーター用駐車枠が歩道上にあることが珍しくありません。そのため、停車をするために歩道を走るスクーターも少なくありません。(これももちろん違法)

 したがって、歩道だからといって油断することも禁物です。

台北の歩道を違法走行するスクーター
歩道を違法走行するスクーター(1)
歩道を違法走行するスクーター
歩道を違法走行するスクーター(2)

 上の2つの写真は実例です。ちなみに、その瞬間を写真に収めようと違法走行するスクーターをじっと待ち構えていたわけではありません。普通に歩道を通行中に遭遇したものです。いかにこういったスクーターが多いかおわかりいただけるかと思います。

左手の騎楼(2階部分が張り出して屋根になっている通路)から歩道を横切って駅の入口に入るという場合もすごく危険。歩道を横切る際に前後を確認しないと、スクーターや自転車に後ろからぶつけられる可能性があります。

 歩道を走るスクーターについて調べていたら、こんな記事を発見しました。

 機車騎上人行道停車遭罰 一矛盾掀網共感:難道用推的(TVBS新聞網)

駐車枠があるから、そこに停めるために歩道をスクーターで走ったら違反切符を切られた。みんなはちゃんと降りて引いていく?」という掲示板の投稿に対する反応をまとめた記事です。記事によれば、この投稿に集まった反応には「この前切符を切られたから降りる」という人もいれば、「違反だと知っているけど乗っていく」「100%乗っていく」という声もあったそう。

 こういうことが議論になる時点で「ムムム」という感じですが、私も「そもそも歩道に駐車枠があることが間違い」だと思っていました。

 記事によれば、内政部(内務省)は関連の法改正に着手していて、今後は歩道に駐車枠を置かないことも検討しているそう。ぜひとも実現してほしいものです。

以上、台湾で私が道路を歩く時に気を付けていること3点を紹介しました。

みなさんも交通事故にあわないよう、くれぐれもお気をつけください。

kuroqie
kuroqie

 台湾は交通マナーがもっと良くなれば、もっと住みやすくなるのにな。

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