こんな台湾ドラマを待っていた!マイク・ハー主演「天巡者」の4つの魅力〜神様の世界を現代社会にあてはめてみたらこうなるのか〜

台湾ドラマ『天巡者』台視公式サイトスクリーンショット

 2020年10月から約半年にわたり台湾で放送されたマイク・ハー(賀軍翔)主演の台湾ドラマ『天巡者』。近年は比較的重めの作品が注目を集めている台湾ドラマ界ですが、この作品はいわゆる「偶像劇」(アイドルドラマ)的な軽さを持ちつつも、クオリティーが高く、そして台湾ならではの題材を取り上げていて、「こんな台湾ドラマを待っていたんだよ!」と言いたくなるほどの良作でした。

 この作品の魅力を4つの面から紹介していきます。物語自体のネタバレはしないように気をつけて書いたので、見ていない方も安心してどうぞ。

あらすじ・作品紹介

 死者のあれこれを処理する地府(冥界)である日、奈何橋(三途の川)の爆破事件が発生する。これから輪廻転生しようとしている人に飲ませる孟婆湯(憎悪などを忘れられるスープ)作りを担当しているナンバー「1087」の孟婆は、この事件に巻き込まれて人間界に墜落してしまう。魔祓い担当の鍾馗は、爆破事件の犯人との戦いで負傷をしつつも、孟婆の行方を探すため、人間界に向かうのであった。人間界で見つかった孟婆は自身の過去を忘れてしまっていたが、鍾馗が孟婆のために必死になるのには、理由があったのだったー。

 時空を超えたファンタジーラブストーリーになっています。アイドルドラマでおなじみの三立テレビが制作し、Netflixでも配信されています。

 Netflix(ネットフリックス)公式サイト『天巡者』

キャスト

 主演はマイク・ハー。台湾のテレビ局が制作するドラマへの出演は2014年以来となりました。魔祓いの神様「鍾馗」を演じます。そしてヒロインとなる孟婆役は、シャオ・ユーウェイ(邵雨薇)。映画、ドラマに引っ張りだこな、台湾で近年勢いのある女優の一人です。

 そして、人間界で孟婆に思いを寄せる大学教授・盧博雅役を演じたのはアンソン・チェン(陳璽安)。彼は2009年に芸能界入りをしたようですが、俳優としての出演作はさほど多くありません。本人のフェイスブック蘋果日報のインタビューによれば、かつては米国で映画関係のビジネスを行っており、2019年に台湾に戻り、俳優になったそうです。現在33歳ですが台湾メディアでは「新星」と紹介されており、そのイケメンっぷりから今後の活躍が注目されます。

 このほか、チョウ・シャオハン(周曉涵)やヤン・ミンウェイ(楊銘威)、ロイ・チャン(張洛偍)など三立ドラマでおなじみの面々が脇を固めます。元noovyのハンク(王碩瀚)も重要な役で出演しています。

予告編

 日本語の予告は見つけられなかったのですが、下記は英語字幕付きです。

『天巡者』4つの魅力

魅力1:あの世の世界がまるで現代のお役所 台湾の神様について学べる

 まずこのドラマの面白さはその設定にあります。あの世である「地府」が現代のお役所のように描かれていて、道教の神様の役割、上下関係などについても学ぶことができます。

 例えば、主役の鍾馗は「魔除けの神様」として知られています。この作品の中では実際に、人間界で悪霊退治を行うほか、霊たちから恐れられている存在であることが描かれます。また、鍾馗は秦広王(チョウ・シャオハン)の部下に当たり、彼女の指示により、地府に呼び戻されて任務を行ったりします。地府の司法官である城隍(ヤン・ミンウェイ)は鍾馗の同僚で、死者に関する記録の調査を鍾馗から頼まれたりします。ちなみに、台湾には「土地公」(地域の守り神)を祀る廟がたくさんありますが、城隍はこれらの神様のトップに位置し、絶大な調査能力を持つことも劇中で描かれます。

 このほか、地府のオフィスではみんなスーツや制服などを着て事務作業をしていたり、書類を各部署に回して決裁したり、データベースがセキュリティシステムで管理されたりと、現代のオフィスのように描かれているので、いままで遠い存在のように感じていた神様の世界を身近に感じさせてくれます。

 神様の世界をうまく私達の世界に当てはめて、ユーモラスに表現しているところがこのドラマの大きな魅力だと思います。

kuroqie
kuroqie

 台湾の民間信仰ってけっこう複雑で、覚えたり理解したりするのは難しいのですが、このドラマのおかげで少しだけ知識がついたような気がします。

魅力2:飽きさせないストーリー展開

 このドラマはNetflixだと1話1時間強、全20話となっています。比較的長めのドラマですが、数話ごとに次々と新たな展開が生まれ、比較的サクサクと見進めることができます。

 ネタバレになってしまうので多くは書きませんが、「おお、これはこう来たか」というような、予想は少しはできていたけれどこうつながるのか!といった衝撃の展開もあったりして、驚きを与えてくれます。

kuroqie
kuroqie

 私は最初は、6か7話くらいが放送された段階で見始めたのですが、一気に見終わってしまったため、リアルタイムで追うのはやめて、全話の放送が終わってから最後まで一気観しました。

魅力3:これでもかというほどのラブラブぶり

 ここもたくさん書くとネタバレになるのであまり書けませんが、イチャイチャ、ラブラブシーンがふんだんに盛り込まれており、見ながら思わずニヤけてしまうほど。ここまでイチャイチャするドラマは、最近の日本や台湾のドラマではあまりないのではないでしょうか。美男美女が演じているので、生々しさやいやらしさは一切なし。ただただ、ニヤついてしまうだけです。

 しかも、単にイチャイチャしているだけではなく、あとになってその展開の意味がわかったりして、脚本のうまさにも惹きつけられます。

魅力4:キャストが美男美女揃い

 前項にも通じるのですが、アイドルドラマらしく、キャストは美男美女で揃えてあります。日本でも人気のマイク・ハーは言わずもがなとして、相手役のシャオ・ユーウェイが超絶かわいい。これは完全に私の好みの問題なのですが、団子っ鼻がキュート。私のイチオシの女優さんです。

 話はちょっとそれますが、彼女は映画『若葉のころ』(五月一號)や『陪你很久很久』などで清楚な学生を演じることもあれば、『樓下的房客』では脱ぎの演技を披露するなど、幅広い役をこなしています。今作で演じる孟婆(孟心語)は、明るく元気で、正義感が強い性格。この役も、シャオ・ユーウェイの表情豊かな演技によって、非常に魅力的なキャラクターに仕上がっています。清楚っぽくも、可愛くも、下の写真みたいに色っぽくもなれるの、たまりません。

 そして、教授役のアンソン・チェンのイケメンっぷりも見逃せません。私は彼についてはノーマークだったのですが、ジェリー・イェン(言承旭)や仔仔(ヴィック・チョウ、周渝民)にどことなく似ている気がして、私の好みです(笑)。演技自体は最初、ちょっと固さがあるかなとも思いましたが、後半になるにつれて解き放たれていく演技力にも注目です。

 

↓は2020年10月のファンミーティングでのお三方のショット。非常に絵になります。

まとめ

 以上、『天巡者』の4つの魅力を紹介しました。

 「最近の台湾ドラマは重そうで見る気がしないな」とか「一昔前の胸キュン台湾ドラマが好きだったんだけど」という人におすすめしたい作品です。

 ※アイキャッチ画像は台湾テレビ(台視)の『天巡者』公式サイトのスクリーンショットです。

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