私の毎週月曜日の日課は、VOGUEGIRLで配信される「しいたけ占い」を読むことだ。
参考 しいたけ占いVOGUE GIRL
当たるとか、当たらないとか、そういうのはあまり関係なく、しいたけさんの優しい語り口は読んでいるだけで心が落ち着く。
私はてんびん座なのだが、今週のアドバイスの一つに「アジア料理を食べましょう」「旅をしましょう」というものがあった。要するに、「非日常を感じましょう」ということなのだと私は理解した。
さて、どうしよう。私は台湾に住んでいるから、日本から見た「アジア」が日常だ。魯肉飯とか、鶏排とかを食べたところで、「非日常」感は味わえない。「旅」といっても、来週にその予定があるから、今週はさすがに遠出はしたくないし、スケジュール的にもできない。
そんなことを思いつつ、占いのことはすっかり忘れていた水曜日。たまたま臨時ボーナスが入ったのと、無性にたこ焼きが食べたかったのもあって、前から気になっていた林森北路の銀だこに一人で行ってみた。林森北路は近くを通り過ぎることはままあるが、足を踏み入れるのはかなり久々だ。
ガヤガヤした店内では、日本語があちらこちらから聞こえる。おそらく駐在員であろうサラリーマンのグループ、それから合コン風の男子4人組。この騒がしさ、日本の居酒屋みたいだなあとふと思った。
たこ焼き一皿とハイボール一杯でお腹を満たしたところで店を出た後、MRTの駅とは反対方面の、飲み屋街の路地を歩いてみることにした。
立ち並ぶ数多の小さい飲食店。視線を動かせば日本語の看板、日本語のメニューが次々と目に入ってくる。ガラス張りになっている店の入口から中を覗いてみると、そこにいるのはワイシャツを着た日本のサラリーマン風のグループ。交差点の角地に建つこじんまりとした開放的なバーは、10席にも満たないL字型のカウンター席が白いワイシャツ姿の男性で埋めつくされていた。
林森北路の路地を歩きながら思った。「まるで日本だなぁ」と。「これこそが異国情緒ではないか」。
私の勤める台湾企業には、退勤後に同僚と飲みに行く文化は一切ない。シフト制で退勤時間がそれぞれ違うというのもあるが、同僚とご飯を食べに行くことはめったにない。年一回あるかないかというレベルだ。だから私にとっては「同僚と飲みに行く」という行動は特別なもので、日常ではない。だが、林森北路にいた日本人はあたかもそれが日常のような空気感を漂わせていた。私とは別世界だ。
私は台湾に日本人の友人や仲良くさせてもらっている人が少ないながら何人かいるが、彼らと林森北路で飲むことはほぼ無い。仕事上では駐在員との接点もあるが、プライベートでは無い。
気付いたのだが、友人らと食事に行く店では、日本語が別の席から聞こえてくることはあまりない。一方、林森北路で聞こえてくるのは日本語ばかりだ。
普段、職場以外で日本人と出会うことがあまりないため、日本人の存在は日常ではほとんど意識していない。だが、この林森北路は日本人だらけだ。台湾、台北にこんなに多くの日本人がいることに驚かされる。でも、この林森北路界隈で形成されているであろう日本人社会に私は入っていない。そして、この時、この場所で、私を知っている人はいないだろう。そう考えると、なんとなく疎外感を感じた。決して仲間に入りたいと望んでいるわけではないのだけれど。
ああ、在台日本人社会は分断されているのか。これでは在台日本人が団結することは難しいな。そんなことを思いながら帰途に着いた。
林森北路は私にとっては「非日常」で、異国情緒漂う場所だけど、そこによく足を運ぶ人にとってはそうではないのだろうな。
こんにちは♪
kuroqieさんの過去ログ、色々と読ませていただきました♪
すごく読みやすくて整理整頓されていて情報が満載ですごいな~って思います♪
大学院3年間にお仕事をされて5年間、そんなに長く暮らしていらっしゃるんですね。
どのブログにもそうそう!って頷くところが満載でした(笑)。
特にこのトピック。私も同じようなことを度々感じているのでコメント連投でごめんなさい。
台中では私の行動範囲も狭いせいか、日常生活でほとんど日本人に出会うことがないのですが
時々、食事をしていると駐在のファミリーを見かけたりします。すると、すごく違和感!笑。
>そして、この時、この場所で、私を知っている人はいないだろう。そう考えると、なんとなく疎外感を感じた。決して仲間に入りたいと望んでいるわけではないのだけれど。
↑
なので、これ、ものすご~くリアルにわかりました。
そういう時に感じる不思議な異国情緒。笑。
ブログ村でなにかkuroqieさんのトピックに惹かれてお邪魔しましたが
素敵なブログを発見できて嬉しいです。
私のブログは「美味しい~」とか、そんな話題ばかりですが、私の場合は逆に
台湾の良いところ、美味しいところを探して、台湾を嫌いにならないように(笑)しています。
ここだけの話、時々、無性に嫌いになることがあるので。内緒ですよ~。笑。
長々とすいませんでした。
これから更新を楽しみに拝見します♪
過去記事も読んでいただきありがたいです。
このブログは、同じ気持ちの人がいればいいなとの思いでも書いているので、共感していただけて嬉しいです。
>私のブログは「美味しい~」とか、そんな話題ばかりですが、私の場合は逆に
台湾の良いところ、美味しいところを探して、台湾を嫌いにならないように(笑)しています。
そういう思いでブログを書かれている方もいらっしゃるんだ!と初めて知り、目からうろこです。
やっぱりブログって、かなり個人的なものなので、皆さんそれぞれの思いで書かれていらっしゃるんですね。
私は台湾政府への批判、不満を書きまくっていますが、不思議と台湾に対して「嫌い」と思ったことはないなと今気付きました。
たぶん不満があってもその後でマイナスを挽回してくれる何かがあるのと、組織は冷たくても、周りの人はやさしいからかなと思います。
あっ、それと、不満をリアル、ブログ問わずに吐き出しまくってるからかもしれません(笑)。
まだ初めて間もないブログなので、コメントを頂けるのはすごく嬉しいです。
これからもよろしくおねがいします!