引っ越しはある日突然に 台湾で約7年暮らした部屋と急遽お別れすることになった話

ある日、いつも通り仕事から帰ると、ルームメイトから突如こう告げられました。

「この建物が都市再開発の対象になったから、引っ越ししないといけなくなった」

なんと!!!

このお部屋は台湾人夫妻+小学生の子供1人のご家族とシェア形式で借りているもので、住んでから約7年。立地も部屋自体も暮らしやすいし、ルームメイト夫妻もめちゃくちゃいい人たちなので、とても気に入っていました。

つい先日、ルームメイトから「この部屋更新するんだけど、出ていく予定ある?」と聞かれ、「出ていく予定はないです」と返事したばかりでした。このお部屋、私としては長く住み続けたいけれど、シェアという形式上、さすがにルームメイトの子供が大きくなったら追い出される時が来るかなとは思っていたのですが、まさかこんなに早く、唐突に、しかも「都市再開発」という予想だにしていなかった理由でお別れしないといけないなんて。まさに青天の霹靂

しかも、引っ越しの時期を聞いてみると、「今月中」と!!

この時、すでに3月中旬に差し掛かろうとしていたので、「おお…」と思いつつも、決まったことは仕方ないので、即部屋探しを始めることにしたのでした。

お部屋探し開始

私のお部屋探しは、フェイスブックと賃貸サイト「591租屋網」を使って行いました。

日本だと物件探しは街の不動産屋を訪ねるのが一般的かと思いますが、台湾の場合、賃貸仲介会社ももちろんあるものの、一人暮らしの場合は仲介業者に依頼するのはそこまで一般的ではないように思います。大家さんが自ら591のようなサイトに物件を登録して入居者を募集するのがメジャーな印象です。私は今まで台湾で今回を含めて5回物件探しをしましたが、全てネットで見つけて大家さんと直接契約しました。

私が部屋探しで譲れない条件は「キッチン」と「バスタブ」付き。日本だと、キッチンとバスタブ付きってほぼ当たり前ですが、台北だと単身用物件でこの条件の部屋はほとんどありません。家族用物件には主寝室にバスタブがついていることもあるので、独り身で「キッチン」と「バスタブ」の二つの条件を満たす部屋に住む場合、「シェア」(合租)形式または、何部屋かある物件を別々の人に貸す「分租」形式の部屋を優先的に探すことになります。

フェイスブックは賃貸関連のグループがいくつかあるので、それに登録すると同時に、ルームメイト募集グループにも登録しました。

フェイスブックのグループでの物件探しのメリットは、投稿者とのやり取りがしやすいところ。ただ、地域や価格帯に絞った検索はできず、地道に見ていく必要があるので、効率はそんなに良くないです。

一方、591はメトロの路線や価格帯、設備などを選んで検索できるのが便利。ですが、たとえば「可開伙」(料理OK)の物件で検索しても、実際にはコンロがなかったり、コンロがあっても換気扇がなかったり、必ずしも「キッチンあり」というわけではないのがちょっと使いにくい。それと、仲介業者が入っている物件も多いので、こういった物件だと成約料金を取られるのも個人的にはネックです。(検索条件で「大家と直接取引」の物件のみに絞ることも可能ではあります)連絡が基本的に電話というのもやや不便。

部屋探し、こんなに難しいとは

私の新居探しは約4年ぶり(年数が合わないのでは?と思った方は過去記事をご覧ください)となったのですが、今回思ったのは、「4年前に比べてめちゃくちゃ値上がりしてる」ということ。

私が今住んでいる部屋は

  • 台北中心部
  • 駅近
  • シェア形式
  • キッチンあり(共用)
  • バスタブあり(専用)
  • ウォークインクローゼットあり
  • 採光良好
  • エレベーターなしの4階

という条件で家賃1万3000元(約6万1600円)。欠点はエレベーターがないことと、ゴミ収集車を待たないといけないということくらい。ただ4階だと、スーツケースを運ぶ時以外は全く苦にならず、ゴミ捨ても基本的にルームメイトがやってくれていたので、私にとっては大した欠点がない部屋でした。

今回ネットで物件探しをして、実際に内見もしてすぐに悟ったのは、

「1万3000元で今と同レベルの部屋に住むのは無理!!」

同じく「キッチンあり」「バスタブあり」「駅近」「1万3000元」の条件で見つけて内見させてもらった1つ目の部屋は

  • バスルームにバスタブはあるけど、他の入居者と共用
  • 部屋の広さは今の半分くらい
  • ベランダなし→洋服干す場所なし(乾燥機はあり)

といった感じでお部屋のランクがぐぐっと下がってしまいました。

さすがにここには住みたくないな〜と思い、現実を知ることになったのでした。

次に見たのは1万5600元のお部屋。

ここは写真で見る感じだと部屋も十分な広さ、バスルームも専用だったので、かなり期待して行ったのですが…。

行ってみたらなんと、

外向きの窓がなかった!

MRTの駅からは徒歩10分くらいとやや遠いものの、会社には徒歩圏内の立地で、キッチンもベランダもあって悪くはない。気になるのは「窓がない」ことだけだったのでちょっと迷ったのですが、「窓なしの部屋」でいろいろ検索した結果、精神衛生上あまり良くなさそうだったので、やっぱりやめることにしました。

ここで再び、今の、採光も風通しもいい部屋に出会えたことって奇跡だったんじゃないかとの思いが芽生え、物件探しの難しさを実感しました。正直、「物件探し難しい、どうしよう…」と心が沈んだのは私のこれまでの台湾での物件探し経験の中で今回が初めてでした。

「けっこうやばい」と焦燥感を感じ、再びフェイスブックと591を隅から隅までチェックしていると、1軒、「ちょっと気になる部分もあるけど、わりといいかも?」と思える物件を発見。しばらく考えて電話をかけてみると「今から内見に来ていいよ」とのことだったので、即家を出て向かうことに。

電話だとちょっと怖そうな大家さんだったので不安だったのですが、実際に会うとわりとウェルカムな雰囲気で、お部屋も前に見た1軒目、2軒目のような重大な欠点もなく、写真で見るよりも良さそうな感じ。

この短期間でこれより良い物件を見つけるのは無理だと判断し、入居したい旨をその場で伝えました。

ここは大家さんが暮らしている物件の1部屋を借りる形式(要するに大家さんとのシェア)で、他にも問い合わせがあると言っていたので、何人かの希望者と会ってから入居者を決めるんだろうなと勝手に思っていたのですが、大家さんもなぜか「いいですよ」と私で即決(笑)

「入居する日が決まったら連絡して。契約は入居日でいいから」と言われ、「いやいや、それだと私が心配なので」ということで、内見をした次の週末に契約することにしたのでした。

あっさりしすぎて、ちょっと怪しい??と思ってしまうほど…。

なんとか新居決定 断捨離スタート

引っ越しの告知をされてから新居決定までにかかった時間は4日間。我ながらよく頑張った!!

新居は会社までの交通が今よりも不便になるし、部屋も今よりも狭くなるので、いろいろ今と比べるとマイナス面もあるし、新しいルームメイトと上手くやっていけるか不安もあるのですが、数年ぶりに新しい環境に身を置くようになることはけっこう楽しみです。

部屋が狭くなる分、物を置けるスペースも減ってしまうので、引っ越しに合わせて大量に断捨離も行いました。捨てたゴミは25リットルのゴミ袋で約10袋。整理して思ったのは、「自分、使ってないもの多すぎ…」。ノベルティーでもらったバッグとか、もう捨てた家電の取扱説明書とか、「いつか使うかも」と思って取っておいた物が部屋の容量を圧迫していたことに気づいて愕然としたのでした。

断捨離のいいチャンスだと思い、近藤麻理恵(こんまり)さんのかの有名な本『人生がときめく片づけの魔法』を読んで「捨て」の極意を学んだ後に取捨選択に取り組んだら、捨て作業がだいぶ捗りました。

引っ越しの機会がないと自分の持ち物に真剣に向き合うこともなかったと思うので、自分の住環境をリセットできるいい機会になりました。持ち物を大量に捨てたことで、なんとなく心もスッキリしました。

新しいお部屋を理想の部屋にすべく、物はあまり買わず、買うときは厳選しようと心に誓ったのでした。

余談

今回のお引っ越しは「都市再開発で」という理由だったのですが、なんと告知の数日後、ビルが取り壊されるのは5〜6年後ということが発覚!(汗)。発覚するまでの経緯は複雑なので省略するのですが、5〜6年後ということがわかった時点でルームメイト家族は新居の契約を済ませてしまっていたので、そのまま引っ越し確定ということになったのでした。

聞くところによると、物件の大家さん(大家さんとルームメイトは別)が新たにネットに入居者募集の告知をしたところ、1日で30件あまりの問い合わせがあり、そのうち1組は内見もせずに即座に契約したとのこと。良い物件はすぐに埋まるんだなぁと実感したのでした。

物件探しはスピード感と縁が重要!

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