こんにちは。kuroqieです。
11月末に台湾茶深泉さん主催の阿里山お茶摘みツアーに参加してきたので、ツアー体験記をお届けします。(完全に自費参加でPRではないことを念のためお伝えしておきます)
お茶を飲むのは好きで、興味もあるけれど、特に知識があるわけではない私。X(旧ツイッター)で深泉さんのツアー参加者の募集告知を見て、「楽しそう」と参加することにしたのでした。
ツアーは午前9時に高鉄台中駅出発。総勢9人でボックスカーでいざお茶摘みの茶園へ。途中、高速サービスエリアに寄って30分ほどの休憩を挟みつつ、正午ごろに嘉義県梅山郷樟樹にある目的地の茶園に到着しました。(このサービスエリアも思った以上に充実していたので、この記事の最後の方で紹介します)
お世話になった茶園は「上川茶業」。オーナーの女性が包容力たっぷりな笑顔で迎えてくれました。
まず茶摘みの前に「茶摘み弁当」をいただきます。これは茶摘みをする職人に出されるお弁当なのだそう。シンプルなお弁当ですが、十分おいしかったです。特にじゃこがかりかりでめちゃくちゃ美味でした。
軽くお昼を済ませて、いよいよ本番の茶摘み体験へ。
茶葉を入れる大きなかごを一人一つもらい、茶園に向かいます。
案内された茶畑は、道路からすぐの場所。まずは茶摘みのコツを教えてもらいました。
摘む茶葉は若い、柔らかい葉のみ。固い葉が混ざってしまうと品質が下がってしまうのだそう。
基本的に教えてもらったのはこれだけ。茶園の人はカミソリの歯を使ってスピーディーに摘んでいっていましたが、素人の私達参加者は手でひたすら摘んでいきました。
茶摘みをするのは初めてだったのですが、まず感じたのは、若い葉を見極めるのが意外と難しい。慎重に見極めようとすると、全然摘めません。しかも、一つ一つ自分の目で見極めて摘んでいくので重労働。
最初の方は、下手な摘み方をすると木を傷めてしまうのでは?という心配もあって恐る恐る摘んでいたのですが、茶園のオーナーによると、今シーズンの茶摘みはこれで最後で、この後は木の剪定をするので、下手な摘み方をされても問題ないそう。これを聞いて少し安心したのでした。
茶摘みをしたのはおよそ1時間ほど。お遊び程度の体験かと思いきや、しっかり茶摘みをさせられ、成果まで確認されました(笑)私は途中、オーナーとのおしゃべりタイムが長かったので、摘んだ量は最下位でした…
茶摘みの後は、手揉み体験に移ります。摘んだ茶葉をかごの中から直径1メートルはある大きなざるに移し、乾燥のために茶葉が重ならないように広げていきます。私は摘んだ量は少なかったのですが、広げたときに「いい茶葉ばっかり」とほめられてご満悦。
茶葉の乾燥には時間がかかるので、手揉み体験は前日の参加者が摘んで乾燥させておいた茶葉ですることに。揉む前に、ざるに広げた茶葉をざるを上下左右に動かして手前にまとめるという作業があったのですが、これがめちゃくちゃ難しかった。上手な人もいる中、私がやってみると、茶葉がびくとも動かず。全然動かないので、結局手を使ってまとめることになってしまいました。こういう動作系って、本当にセンスの問題だよなぁとしみじみ。
手揉みはお団子をこねる要領で行い、一つにまとめていきます。手で揉んでいくうちに葉っぱの中から水分や油分が出てきて、どんどんまとまっていくから不思議。お茶のいい香りがただよい、手にもほどよく茶の油がついて、美白になりそうな気分でした。
こねる作業は茶園の人もお手本を見せてくれたのですが、やっぱりプロはスピーディーさが違う!あっという間にまとまっていきました。
体験はこれで終わり。茶摘み&手揉みを体験してみてすごく思ったのは、「お茶づくりってめちゃくちゃ大変!!」。茶摘みは機械でやるところもあるようですが、阿里山のような高地では機械が使いにくいのだそう。一つ一つの工程が重労働で、「お茶の生産者さん、おいしいお茶を届けてくれてありがとう」という気持ちになりました。
体験を終えるとお茶タイム。オーナーが高山烏龍茶と東方美人を淹れてくれました。感動したのは東方美人。実を言うと私、東方美人ってそんなに好んで飲むお茶ではないのです。東方美人といえば新竹が有名ですが、新竹・北埔で飲んだ時もそんなに「すごい美味しい!」とは思わず。なのでそんなに期待はしていなかったのですが、ここの東方美人は全然違いました。
まず、はちみつのような香りが濃厚。味わいもすっきりしていてとても上品。一口飲んで「なんだこれは!私が思ってた東方美人と違う!」と感激しました。オーナーいわく、この茶園では東方美人は毎年生産しているわけではなく、できるのは5年に1度くらいとのこと。東方美人はJacobiasca formosana(小綠葉蟬)という虫が葉っぱを刺すことで出来上がるらしいのですが、虫がでなかったり、虫が葉を刺した翌日に雨が降ってしまって虫の恩恵を受けられなくなったりするため、できる時とできない時があるのだそう。
飲ませてもらったお茶は購入もできたので、私は東方美人を2袋購入。1袋400台湾元(約1850円)に満たない金額で(正確な金額は失念、300元台でした)、「この味でこの安さ!?」とさらに驚いたのでした。
ちなみにこのお茶屋さんではいろいろなお茶だけでなく、いろいろな農産品も売ってました。私ははちみつを購入。ここで採れた本物のはちみつで、純粋なはちみつと、はちみつ以外がまざった商品の見分け方も伝授してもらいました。純粋なはちみつは、手に少量垂らしてなじませると吸収されるものの、砂糖などがまざったはちみつは、ねばねばするとのことです。
はちみつを物色していると、茶園のオーナーの旦那さんが、蜂の子を試させてくれました。
初めて見た「樹蕃茄」という果物もいただきました。これはヘタを取って、トマトの種の部分を吸うようにして食べます。甘くて美味しい。試しに実の部分もかじってみたら、めちゃくちゃ酸っぱかったです。
山はやっぱり夜が早い。天候のせいもありますが、茶園を出る16時ごろにはもうすでに暗くなりはじめていました。
帰りは奮起湖に立ち寄ることに。本当はせっかくなので有名なドーナツを食べたいと思っていたのですが、茶園の人が15時ごろに電話してくれた時点ですでに売り切れ…。17時前に到着した時点でもうだいぶ辺りは暗く、お店も閉まりかけている雰囲気だったので、とりあえず奮起湖弁当をいただくことにしました。
奮起湖弁当は雞腿(鶏もも)、排骨(スペアリブ)、雞腿&排骨のミックスといろいろ種類があり、私は排骨を選びました。持ち帰りの場合は基本的に紙容器(お金を出せばステンレス弁当も買えます)になってしまいますが、イートインの場合はステンレスの弁当に入れて提供してくれる上にほかほかの状態でいただけるので、私はイートインにしました。イートインは無料でスープも飲めます。
弁当とは関係ないのですが、この弁当屋に私が飲んでみたいと思っていた阿里山鉄道コラボの台湾ビールがおいてあり、一人大興奮!これ、桜味の限定ビールで、台北では買えないのです。ただ、あまり時間もなくてゆっくり飲めないので、とりあえず購入だけして、自宅で飲むことに(まだ飲んでないので味の感想はお伝えできません)。
奮起湖には45分ほど滞在し、17時半ごろ出発。全行程を終え、高鉄台中駅に向かいます。
途中、トイレ休憩がてら、行きにも寄った南投サービスエリアに立ち寄りました。
台湾の高速SAに行くのは実は初めてだったのですが、予想を上回る充実ぶりにびっくり。まず、お土産が大充実。台湾の地方に旅行に行く時、「お土産を買うところがない」という声を日本人からよく聞くし、私自身もそう思っていたのですが、ここのSAには地元ブランドのお菓子から地元の農会(農協)の加工品まで、南投ならではのお土産が集結。台北ではなかなか見かけない商品ばかりで、ついついたくさん買ってしまったのでした。
南投県信義郷は梅の産地ということもあり、信義郷農会の商品には梅シートやスッパイマン系の梅干しも。梅シートも、もっと買えばよかったと思うほどの美味しさでした。台北で梅シートって見かけないし。
SAで購入したものの中で、その美味しさに感動したのは「蛋白工坊」の卵白ロールサワークリームオニオン味。ここのお店のエッグロールは、黄身を使わず、卵白を使っているのが特徴で、さくさくとした軽い味わい。味展開は甘い系としょっぱい系があり、私は最初は甘い系がいいかなと思ってプレーンを試食させてもらったのですが、一番人気はしょっぱい系のサワークリームオニオンとのことで、これも試食させてもらったら、これがめちゃくちゃおいしくて。迷わずこのサワーオニオン味を購入することに決めたのでした。プリングルスのサワーオニオンをもうちょっとあっさり、軽くしたイメージです。
職場土産として買ったのですが、実際に同僚にも好評でした。台北には店舗はないものの、期間限定出店はしているとのことなので、次の日本帰国土産はぜったいこれにしようと決意しました。
そんなこんなで、高鉄台中駅に着いたのは20時20分ごろ。ほぼ満席状態の高鉄に乗り、台北に戻ったのでした。
今回の旅は「阿里山日帰り」という弾丸ツアーでしたが、なかなかできない貴重な体験ができてめちゃくちゃ楽しかったです。私は一人参加だったのですが、他の参加者の方もみんなやさしく、和気あいあいとした雰囲気で、とてもリラックスして参加できました。お友達もできたので、こういうツアーに参加するのも刺激になって視野が広がっていいなと思いました。
今回お世話になった茶園は普段は茶摘み体験は受け入れていないとのことなので、もし気になる方がいらっしゃったら台湾茶深泉さんに問い合わせてみるといいかもしれません。
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