『血觀音』や『GF*BF』(女朋友。男朋友)のヤン・ヤーチェ(楊雅喆)監督の新作『破浪男女』(The Chronicles of Libidoists)。
「約炮」(アプリなどで知り合った人と大人の関係を結ぶこと)を題材にした大胆な作品で、18禁に指定されていることもあって話題を集めています。
主要キャストはウー・カンレン(呉慷仁)、リウ・チュウピン(劉主平)、クー・ウェイリン(柯煒林)、リャン・シャンホア(梁湘華)。
それぞれ大胆な濡れ場に挑んでいるですが、ウー・カンレンも一糸まとわぬ姿を披露しています。
登場人物の「性」への欲望から、それぞれが抱える苦悩を描き出す作品です。
感想
近年、さまざまな役に貪欲に挑戦しているという印象のウー・カンレン。役作りで太ったり痩せたりと、彼の「役者魂」をひしひしと感じます。
ただ、ここまで高い体の露出を要求される作品に出るのはめちゃくちゃ意外でした。
台湾映画は日本映画と比べても、濡れ場で極力、体の露出を控えているように感じます。今作は、カンレンも、二人の女性俳優も、かなり体の露出があったので、18禁に指定されているとはいえ、予想以上の大胆さと過激さに衝撃を受けました。
今作で特に目を引いたのはリウ・チュウピンの演技。役の設定が複雑で難しい役どころですが、不思議な雰囲気の演技で引き込まれました。
どことなく、チョウ・ドンユィ(周冬雨)とアリエル・リン(林依晨)を彷彿とさせます。
彼女、初めて見たなと思って調べてみたら、なんと「青春18×2」でジミーの妹役を演じていました。ドラマ『我家浴缸的二三事』でも主演の一人に名を連ねています。
現在30歳。今後の活躍に期待です。
上映前にはヤン監督と主要キャストらがあいさつに登場。
ヤン監督はこの作品を「謎片」(謎解き映画)だと紹介し、さまざまな手がかりによって結末を理解してほしいと話していました。そして役者の4人がそれぞれ、自分の役を理解するのに手がかりになる物のヒントを紹介してくれました。
私は映画はけっこうたくさん見ている割には理解度が低いので(汗)、正直なところ、見終わっても監督が言っていた意味がわかりませんでした…。
印象的だったのは、露出が多い割に、下品さやいやらしさは感じさせなかったこと。ごくごく自然に映像としてきれいに写し出されていました。
抽象的かつファンタジックな絵作りもされていて、非現実感を醸し出していました。
ポスターに描かれているキャッチコピーは「先做愛,再戀愛」(まずセックスをしてから恋愛をしよう)。
なんとなく、このキャッチコピーから受けた印象と実際の物語が乖離している印象を受けたので、やや肩透かし感もありました。
作品情報
公式フェイスブック https://www.facebook.com/TheChroniclesofLibidoists/
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