もうね、グレッグの突き抜けた演技がとっても良かった!体を張ったシーンも多かったのですが、ゲイのボーホンに憑依されて真っ裸で外に出て、ジョリン(蔡依林)の「舞孃」を踊るシーンには大爆笑!その前のシーンでは他の観客たちは笑っていたけれど台式ユーモアすぎてちょっとツボがわからない部分もあったりしたのですが、このグレッグの舞孃は声を出して笑ってしまいました。演技としてはけっこう大変だったと思うのですが、殻を破りまくっていたのは本当にすごいです。
そして、いちばん胸に刺さったのは終盤、ボーホンがグレッグに心の内を打ち明けるシーンです。
結婚を考えていた彼氏(アーロン)が実はボーホンとはもとから結婚する気がなかったと知って落ち込むボーホン。同性婚が合法化されて、いざ同性同士でも結婚できるようになったはいいものの、それによって今までとは違う悩みを抱えるようになってしまったことを告白し、「欲しいのは互いに信頼できて、世話をしあい、死ぬ時にそばに寄り添える人、それだけなんだ」とポツリポツリと話します。
それに対してミンハンは「僕が一生養ってあげるよ。どうせお前には食事代もかからないし」と笑って答えてくれるのです。
優しさの塊!!!ボーホンのセリフには「そうそう、そうなんだよ」と独身の私は共感しまくりました。
最後には、ボーホンが彼氏と結婚したいと言った時、父親が話しも聞かずに反対したことの理由も明かされます。父親が反対したのは、同性同士だからではなく、彼氏がクズ男だと知っていたからなんですよね。親子の悲しいすれ違いと父の愛に涙。
さらにさらに、ボーホンが成仏した後で、グレッグがボーホンの家族と「家族」になる展開も本当によかった。心温まりました。
息子は最初から不在なんだけど、彼を大切に思う人同士がつながっていくってとても優しい世界。これぞ「愛」だと思いました。
この作品は男同士の愛を描くから、もしかしたら「BL」とひとくくりにされてしまうかもしれないけど、個人的には「BL」に分類されてほしくない。「恋愛」というよりも、もっと広範囲でさまざまな形の「愛」を描く作品だと思います。
THEエンタメ映画だけど深みもある。日本でもぜひ一般公開されてほしいと心から思います。
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