台北の老舗ホテル「ザ・シャーウッド台北」(西華飯店)が2022年2月15日をもって休止符を打つという発表があったのが昨年12月末。
シャーウッドは私が台湾に住み始める前、今から10年以上前になりますが、当時勤務していた日本の会社の社員旅行で一度だけ宿泊したことがあり、思い出の場所でもあります。
近年は仕事関係で1回宴会場にお邪魔した程度で縁遠かったのですが、休業のニュースを知ってから急に懐かしい気持ちになり、1月中旬の平日に1泊してきました。
私の記憶では、シャーウッドは確か、以前は1泊1室5000元はしていたと思うのですが、今回の宿泊価格は税などもろもろ込みで3300元ほど。お手頃価格で嬉しい半面、その安さに複雑な気持ちを抱きつつ予約を入れたのでした。
宿泊当日(1月中旬某日)
宿泊当日。チェックイン時間の15時ぴったりくらいにホテルに到着。ロビーにお客さんは私しかおらず、がらんとした雰囲気。休業間近で私のような駆け込み客もそれなりにいるだろうと予想していましたが、この日は平日だったためか、それほどでもない様子でした。
チェックインを済ませて渡されたのは、アナログなルームキー。最近台湾で泊まるホテルはどこもタッチ式のカードキーだったので、ものすごくレトロでかえって新鮮でした。
お部屋もとてもレトロな雰囲気。10数年前に泊まった時にはレトロな印象は全くなかったので、月日の流れを感じました。ですが、居心地は快適そのもの。室内は広々、バスタブもちょうどよい大きさでゆっくりできました。
夕食はホテルの向かいにある杭州小籠包でテイクアウトしたのですが、せっかくだからルームサービスも頼みたいと思い、シナモンのパンとアイスクリームのセットを注文することに。電話を掛けたらなんと、注文は「1日前」にしないといけないとのことで、断念したのでした(いちおう係の人がレストランに問い合わせくれたのですが、やはり無いとのこと)。こういうことからも、終わりに向かっていくホテルのもの悲しさを感じずにはいられませんでした。
朝食は地下1階のビュッフェレストランがコロナの影響で閉まっているため、1階のレストラン「TOSCANA」でいただきました。シャーウッドの朝食ビュッフェはとても美味しかったと記憶していたので、これも少し残念。
TOSCANAの朝食はビュッフェではなく、セット形式で提供されました。洋風、台湾風、キッズメニューの3種類から選べ、5分ほど悩みに悩んだ末に、普段はあまり食べない台湾風を選択。これが大正解でした。
サツマイモ粥に飲茶、小皿の野菜などがセットになっていて、とてもバラエティー豊か。味付けも濃すぎず、薄すぎず、分量も多すぎず、少なすぎずで大満足でした。アメリカンコーヒーも私の好みの味で美味しかったです。こういう、細かい部分がクオリティー高いと満足度が一気に上がります。
チェックアウトは正午だったので、ゆっくりしたいところでしたが、この日は仕事があったので10時半ごろチェックアウト。記念にホテルのロゴ入りのマグネットももらいました。
滞在を通して思ったのは、やはり建物は人の賑わいがあってこそなのだということ。同じホテルのはずなのに、以前訪れた時とは印象が大きく違いました。
休業間近ということもあって、期待と違う部分もいくつかあったのは確かなのですが、それでも、思い出のホテルに最後に泊まれてよかったなと心から思いました。
コロナ以降はホテルの閉館が相次いでいますが、その一方で、「ホテルメトロポリタン プレミア 台北」(JR東日本大飯店台北)や「三井ガーデンホテル台北忠孝」(和苑三井花園飯店台北忠孝)など日系ホテルも続々と新規オープンしています。早くコロナが収束してホテル業界が活気を取り戻すことを願うばかりです。
お知らせ
シャーウッド台北滞在の記録は後日、Vlog形式で動画にする予定なので、こちらもよろしければご覧ください。
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