12月19日に台北・南港の台北流行音楽センター(略称北流)で開かれたウェイ・リーアン(韋禮安)のコンサートに行ってきました。
私にとっては初のリーアンライブ。胸キュンしていたら、思いがけず人生について深く考えさせられ、とても心に染み入るライブ体験となりました。
目次
コンサートの感想に入る前に、私のウェイ・リーアン遍歴についてちょっと書かせてください。
私がリーアンの生歌を初めて聞いたのは、2016年に台北アリーナで開かれたアイスショー「安麗雅芝2016亞洲冰上盛典」。ゲストとして出演し、台湾のフィギュアスケーター、エイミー・リン(林仁語)と氷上でパフォーマンスを披露したのですが、あまりのスケーティングの上手さに驚愕。その後、2018年のライブフェス「超犀利趴」(スーパースリッパ)でステージを初めてきちんと見て、魅せ方の上手さと胸をキュンキュンさせる音楽に心を射抜かれたのでした。
イケメンで高学歴(台湾大卒)、作詞作曲できて、歌も歌えてスケートも上手なんて最強!!
それ以降、私は仲良しの友人とともにリーアンを「完璧男子」と呼び、「ソロコンサートがあったら行きたい!!」とずっと思っていました。ですが、大ファンというわけではないので、2019年に華山のLegacyで行われた公演は見逃し、やっと今回、参加することができました。
リーアンが台湾で大型コンサートを開くのは2015年に台北アリーナで開催した「放開那女孩」以来5年ぶりです。
人気アーティストなのに、5年ぶりってちょっと意外ですよね?
その背景には独立騒動があることが推測できます。
リーアンは2018年、所属レコードの福茂唱片から独立し、自身で立ち上げた「耀聲音樂」に移籍したのですが、これが円満移籍ではなく、福茂から損害賠償を求める訴訟を起こされていました。裁判は今年11月に台北地裁で判決が出て、リーアンが勝訴しています。
参考 韋禮安Bye了福茂挨告賠千萬 法院認證已創作95首歌判免賠蘋果日報リーアンは今年4月に新アルバム「Sounds of My Life」をリリース。これも、2016年の「硬戳」以来、4年ぶりのアルバムとなりました。
今回開いたコンサートのタイトルは「而立之後」。リーアンは現在33歳。孔子の「三十にして立つ」(30歳で自分の立場を確立し、自立する)をタイトルに入れたことは、自身の事務所独立とも重なっているように感じます。
リーアンがコンサートの中で強調していたのは「変化を恐れないこと」。
私はコンサートでは歌が聞きたい派なので、トークが多いコンサートはあまり好きではありません。リーアンのコンサートもトークがけっこう多かったのですが、リーアンのトークはただの場繋ぎや時間稼ぎのおしゃべりではなく、「観客に何かを伝えたい」という切実な思いが伝わってきたので、「トーク邪魔」とは全く思いませんでした。
リーアンは序盤のMCで、前回のソロライブから5年が経ったことに触れ、こう語りました。
「ここ(北流)でコンサートを開くことになるとは思っても見なかった」
もちろん、北流は今年8月に開館したばかりで、それまでは知名度がかなり低かったというのもあると思いますが、この発言には、前回と同じ会場で開催できなかった悔しさも含まれているように感じました(台北アリーナは1万人規模、北流は約5000人)。ただ、これは私の憶測に過ぎません。
この5年間で多くの変化があったというリーアン。瞑想を学んだり、内向的だったのが変わったりと、この5年間に自分の中で起こった変化を明かしました。
そして、リーアンの発言の中で、私の心に強く残ったのはこの2つの言葉。
「晴れの日はずっとは続かないけれど、雨の日もずっとは続かない」
「全ては最高の計らい」
私は今は独り身で、やりがいを感じられる仕事があって、気ままに楽しい生活を過ごしていますが、「本当にこのままでいいのか」とか実家の両親のこととか、将来について不安に襲われることがあります。
リーアンのこれらのMCを聞いた後に、「沒有你的世界」や「沉船」「有沒有」などしっとりとしたバラードが数曲続くパートがあり、音楽に聞き入りながら、人生についてすごく考えさせられてしまいました。
そして、本編のラスト曲「I Wrote a Song for You」では、包み込むような歌声と優しい歌詞に感極まり、目がうるうるしてしまいました。
なんとも不思議なライブ体験となったのでした。
このコンサートでは思いがけず人生を考えさせられてしまったのですが、
私が思うウェイ・リーアンのパフォーマンスの最大の魅力は「胸キュン」です。
オープニングはド派手なショッキングピンクのジャケットで登場。こんな色のピンクを着こなせる人なんてなかなかいない!と思うほど似合っていて、すぐさまハートを射抜かれました。
そして、ピンクジャケットの中に着ているベストが渋い緑色を取り入れた格子模様のデザインで、「鬼滅の刃」の炭治郎を意識しているとしか思えないというツッコミどころもあったりして、抜け目がないところがさすがです。
衣装は計4着で、このほかにはさわやかな白シャツ、デニムジャケットに水色シャツ、グッズの黒Tシャツといったシンプルカジュアルな装いで、どれも素敵でした。
私の中でのリーアン2大胸キュンソングは「因為愛」と「慢慢等」。(聞いたことがないという女子は、この記事の最後に動画のリンクを載せたのでぜひ聞いてください!)
「因為愛」はキュンキュンしすぎて、あと3回はリピートしてほしいと思ってしまうほどでした。
「因為愛」のステージ
「慢慢等」は途中でゲストのウエイ・ルーシュエン(魏如萱)がサプライズ登場し、デュエットが披露されました。これはこれで良かったのですが、正直に言うと、「慢慢等」は好きな人を思う溢れんばかりの愛情を歌う曲だから、私はリーアン様一人に歌ってほしかったのですよ。だから途中でウエイ・ルーシュエンが登場した時は「え、やめてよ」と思ってしまいました。(自分で書いててなんですが、ちょっと気持ち悪くてごめんなさい笑)
今回のライブでは新たな胸キュンソングも披露されました。その名も「請你嫁給我」(Marry me)!ド直球です。歌詞で何度も「請你嫁給我」って言うもんだから、心のなかで「我願意」と答えておきました。会場にいた女性の大半が心のなかで同じことを思っていたのは間違いありません。
ちなみに、目視では観客の9割ほどが女性でした。男性もちらほらいましたが、男性同士の観客は本当に少なく、大抵は彼女の付き添いといった雰囲気でした。
リーアンはポッドキャスト番組も持っているのですが、リスナーの9割は女性とのことです(本人談)。
女性客の割合がこれほど高いのは意外でした。でもやはり、代表曲は甘々な曲が多いので、男性の支持は得にくいのでしょうか。
そういえば、私の経験上、台湾男子とカラオケに行った時に、ウェイ・リーアンの曲を歌う人に遭遇したことがないことに気が付きました。「因為愛」とか上手く歌えたらかなりモテると思うんですが。でも、よく考えるとあざとい気もします。
ファンについて言及したので、もう一つ、特筆しておきたいことがあります。それは、開演時間の5分前にはすでにほとんどの人が着席していたという恐るべき事実!
台湾は時間にルーズな人が多いので、映画などでも少し遅れて入ってくる人が少なくないのです。だから、開演5分前の時点で、通路を歩いている人がほぼいないという状況に驚きました。もちろん会場がそこまで大きくないというのもあると思いますが。
リーアン自体が優等生なイメージなので、観客もお行儀がいい人が多い印象を受けました。
優等生と言って思い出したのですが、リーアンはすごく周りを大切にする人なんだろうなと感じる一幕もありました。よくコンサートでは、ダンサーやバンドメンバーの紹介がありますよね。リーアンはバンドメンバーだけでなく、裏方の音声や照明さんの名前まで挙げていたのでした。裏方の名前まで紹介するアーティストに会ったのは初めてです。
ちょっととりとめのない文章になってしまいましたが、とにかく、コンサート「而立之後」はウェイ・リーアンの魅力を存分に発揮した素晴らしいコンサートでした。
派手なセットがあるわけでなく、踊ったりもしない、演奏する楽器はギターだけ。それなのに、約3時間のステージを一人で魅せられるのは本当にすごい。
ちなみに、コンサートのプロデューサーはソーダグリーン(蘇打緑、現魚丁糸)の馨儀が担当したとのこと。
コンサートから2日経った今も余韻にひたっていて、ふと気づくとリーアンの曲が頭の中で流れ、口ずさんでしまうのでした。
リーアンの「而立之後」のさらなる活躍に期待したいです。
◎セットリスト:韋禮安「而立之後」演唱會歌單/Mymusic・KKBOX
◎ライブの模様
◎翌20日に行われた追加公演には人気バンド「茄子蛋」がゲスト出演し、「因為愛」を一緒に披露しました。
◎ステージの視覚効果については、制作を担当した「做事設計」のフェイスブックで写真が多数公開されています。演出もすごく素敵でした。
下の動画は1曲目のステージですが、炎とか水とか風をイメージした映像が立て続けに流れたので、「炎の呼吸」「水の呼吸」「風の呼吸」みたいに見えてしまいました(笑)
◎「慢慢等」MV
◎「因為愛」MV
◎新曲「請妳嫁給我」は下記リンク先から各音楽配信サービスで聞けます。
◎「I Wrote a Song for You」MV
◎私が初めてリーアンの生歌を聞いた「安麗雅芝2016亞洲冰上盛典」
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