2020年2月に台湾の永久居留証(APRC)を取得しました。そこで、永久居留証を手に入れたらできるようになることを調べてみました。この記事では「永久居留証を取得したらできること・メリット4つ」を紹介していきます。
目次
まずは「外国人工作許可証」を取得できるという点です。
私はこれまでは「招聘」(應聘)の居留事由で居留証を取得していたので、勤務先以外の場所で働くことはできませんでした。要は兼業禁止です。
ですが、永久居留証を取得すれば、勤務先にとらわれずに工作許可証を申請できるようになります。
「就業服務法」(第51条)にはこうあります。
第 51 條
就業服務法(全国法規資料庫)
雇主聘僱下列外國人從事工作,得不受第四十六條第一項、第三項、第四
十七條、第五十二條、第五十三條第三項、第四項、第五十七條第五款、
第七十二條第四款及第七十四條規定之限制,並免依第五十五條規定繳納
就業安定費:
一、獲准居留之難民。
二、獲准在中華民國境內連續受聘僱從事工作,連續居留滿五年,品行端
正,且有住所者。
三、經獲准與其在中華民國境內設有戶籍之直系血親共同生活者。
四、經取得永久居留者。
前項第一款、第三款及第四款之外國人得不經雇主申請,逕向中央主管機
關申請許可。
(以下略)
この法律の46条や52条、53条などには、外国人を雇う場合の職務内容や雇用期限などについて定められているのですが、上記の51条では、「4.永久居留取得者」など4つ条件いずれかに当てはまるの人に対して記載の各条項の制限を適用しないとし、条件1,3,4に当てはまる外国人は「雇用主の申請を経ずに中央主管機関に許可を申請できる」と規定しています。
つまり、永久居留証を取得すると自分で工作許可証を申請できるようになるのです!
自分で申請した工作許可証があると、会社に工作許可証申請をしてもらう必要がなくなります。転職するにしても、今の職場に居続けるにしても、「労働許可の申請」という手間が省けるのは大きいです。
外国人工作許可証の申請については下記の記事に詳しく書いています。
生活保障に関しては、これが一番大きいと思います。
私は実は申請前は知らなかったんですが、会社の人事に永久居留証申請のための在職証明書をもらいにいった時、「じゃあ6%に引き上げるから教えて」って言われたんです。
いまいち意味がわからなくて、所得税のことだと勝手に解釈していたのですが、永久居留証を取得して書類を提出しに行った時に、この6%というのが「公的退職金」に関するものだと教えてもらいました。
労動部労工保険局によると、
「2019年5月17日から、永久居留を取得した外国人は労工退職金の強制支払いの対象になった」
とのことで、
「雇用主は、従業者の毎月の賃金の最低6%を個人の退職金口座に保存しないといけない」と決められているようです。
詳細な内容は労動部労工保険局のサイトでご確認ください。
参考 取得永久居留之外籍人士納入適用勞工退休金條例說明労動部労工保険局人事によると、退職金は満60歳になるともらえ、新制を適用するか、旧制を適用するか選べます。
旧制の場合、勤務年数が単一の企業で計算されるため、転職する可能性がある人は、複数企業の勤務年数を合算できる新制がいいと説明されました。また、新制だと、月給の6%を上限に、自分で支払額を上乗せできるとのことです。
旧制と新制の違いは下記(労動部公式サイト)で詳しく説明されています。
私は法改正で退職金の対象に永久居留取得者が加わったことを知らなかったので、この情報を知ってびっくりしました。これは本当にありがたいです。
正確に言うと、定期口座を開設すること自体は前からできたのですが、最長で居留証の有効期限までしか預けられませんでした。私の場合は1年毎の更新だったため、最長でも11カ月の定期預金しか申し込めませんでした。(11カ月だと定期預金の意味がないので、普通預金オンリーです)
永久居留証を取得すれば、1年以上の期間の定期預金ができるようになります。
〈追記:2020年7月27日〉実際に定期預金の開設に成功しました。
かなり地味ですが、なかなかうれしいのがこれです。
台北市立図書館の利用カードは、居留証の期限=有効期限だったので、これも居留証を更新する度に手続きに行ってました。
永久居留証の取得で、有効期限が6年(国民も同じ)に伸びたので、手間がだいぶ省けます。
これまでにわかったメリットは以上です。
永久居留証は手数料が1万台湾元もかかるため、安くはないですが、利便性や台湾で生活していく際の安心感を考えると決して高くはないと感じます。ほかに新たに発見したメリットがあれば、順次追記していきます。
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